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Global Life Sciences Update

消費者への処方薬の直接販売(Direct-to-Consumer Prescription Drug Platforms) 政府による新たなガイダンスと意見の募集

2026年2月24日
2026年1月27日、米国保健福祉省(U.S. Department of Health and Human Services:HHS)の監察総監室(Office of Inspector General:OIG)は、製薬会社が処方薬を消費者へ直接販売(Direct-to-Consumer:DTC)するモデルについて、特に連邦医療保険プログラムの対象となる患者に対する販売(新たに開始されたTrumpRxを含む)に関して、アンチ・キックバック法(Anti-Kickback Statute:AKS)の適用に関する特別勧告(Special Advisory Bulletin:SAB)を公表しました。同日、OIGは、こうした新たなDTCモデルに対応するため、AKSのセーフハーバー(適用除外)や、民事制裁金法(Civil Monetary Penalty Statute:CMP)における受益者誘引(Beneficiary Inducement)の例外規定について、新設または改正が必要かどうかを検討するための情報提供の要請(Request for Information:RFI)も公表しました。これら2つの動きは、製薬企業にとって、DTCモデルを今後どのように自社の事業へ活用できるかを検討するとともに、この分野に関するOIGの今後のガイダンス形成に意見を反映させる機会となります。 RFIへの意見は、2026年3月30日午後5時(米国東部時間)まで受け付けています。
 
OIG(米国保健福祉省監察総監室)の特別勧告(Special Advisory Bulletin)の主要なポイント
 

本特別勧告(SAB)は、製薬企業が現金で支払う患者に対して直接販売(Direct-to-Consumer:DTC販売)を行うプログラムを対象としています。その内容は、OIGが2014年に公表したアドバイザリー・オピニオン(勧告的意見)とほぼ同様です。この2014年の意見では、対象患者がオンライン小売薬局を通じて、製薬企業の特定の医薬品を固定された現金価格で購入できるDTC販売プログラムについて、OIGは承認していました。今回のSABでも、以下の要件(セーフガード)が満たされる場合には、DTCプログラムはアンチ・キックバック法(Anti-Kickback Statute:AKS)上のリスクが低いと結論づけています。

  1. 患者が、独立した第三者の処方医による有効な処方箋を取得していること。
  2. 患者がDTCプログラムを通じて処方薬を購入する際、その医薬品についていかなる保険者(連邦医療保険制度を含む)にも保険請求が行われないこと。
  3. メディケア・パートD加入者がDTCプログラムを利用して支払った金額は、メディケアにおける自己負担額(out-of-pocket spending)の計算には算入されないこと。
  4. 製薬企業が、ある医薬品のDTCプログラムを利用して、連邦医療保険制度(FHCP)の償還対象となる他の医薬品を宣伝・販売促進しないこと。
  5. 製薬企業が、DTC価格の適用を将来の購入を条件としないこと。
  6. 製薬企業が、連邦医療保険制度加入者に対して、少なくとも1つの保険年度(plan year)にわたりDTCプログラムを利用できるようにすること。
  7. DTCプログラムの対象となる医薬品が規制薬物(Controlled Substances)ではないこと。
さらにOIGは、製薬企業が薬局で利用できる「バイダウン・クーポン(buy-down coupon)」を通じてDTCプログラムを実施し、そのクーポンによる値引きが連邦医療保険制度の加入者に実際に反映され、加入者がより低価格で現金購入できる仕組みとなっている場合についても、上記のような特徴・要件を満たしている限り、AKS上のリスクは低いとの見解を示しています。
 
OIGはさらに、DTCプログラムを運営する製薬企業は、連邦医療保険制度(FHCP)の加入者が加入する保険プランとの情報共有の仕組みを整備し、保険者による適切な医薬品使用レビュー(Drug Utilization Review:DUR)や服薬管理(Medication Therapy Management:MTM)を支援できるようにすることが望ましいとの見解を示しています。この考え方は、OIGが2005年に公表した「メディケア・パートD加入者向け患者支援プログラム(Patient Assistance Programs)」に関する特別勧告(Special Advisory Bulletin)で示したガイダンスと非常によく似ています。一方で、今回のDTCプログラムに関するSABでは、製薬企業が保険者とどのような方法で情報を共有すべきかについて、追加の説明や具体的な手順は示されていません。また、OIGは、このSABは製薬企業と現金払い(cash-paying)の患者との関係のみに適用されることを明確にしています。したがって、製薬企業と以下のような他の関係者との取引や契約は、本SABの対象外です。

医師
薬局
薬剤給付管理会社(Pharmacy Benefit Managers:PBM)
遠隔医療(Telemedicine)事業者
マーケティング事業者
その他の個人または法人

これらの取引について、アンチ・キックバック法(Anti-Kickback Statute:AKS)の適用に関するOIGの見解を求める場合には、アドバイザリー・オピニオン(Advisory Opinion)の申請手続を利用するか、法規則ではない行政ガイダンス(subregulatory guidance)として提供されるFAQ(Frequently Asked Questions)への照会を行うよう案内しています。

原文は以下よりご覧いただけます。
https://www.sidley.com/en/insights/newsupdates/2026/02/direct-to-consumer-prescription-drug-platforms-new-government-guidance-and-comment-opportunity

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